11話 仲間落ち着きを取り戻したロキがいつもと違う状況にやっと気づいた。 「ミア、ファーガス副隊長は一緒じゃないの?」 ロキの言葉で先ほどまでの賑やかな空気は重たい空気に変わった。 俯くミアとアサヒを不思議そうに見るロキ。 少しの沈黙の後、ミアが口を開いた。 「実はね…」...
10話 3人目門を眺めるアサヒの横で、門前の守衛に声を掛けられるミア。 「ミアさんお戻りですか」 「ええ…」 ミアの返事に何かあったのかと思う守衛。 そのやりとりを見てアサヒは少し顔を下げた。 ファーガスさんのこと知らないんだよな… 「ジン隊長は戻ってますか?」 「お戻りですよ」...
9話 アクアゲート丘の上から大きな街を見ているミアと馬の上に乗せられたアサヒ。 ギールとの激闘から数時間後、2人はある街へ向かっていた。 アサヒはまだ眠ったまま、いつかと同じように馬の上にいた。 時折アサヒを確認するミア。 早く治療をしてもらえる場所に連れて行くからねアサヒ…...
8話 決着アサヒの言葉に気持ちを昂らせたのは敵も同じだった。 戦いは弱い者を痛めつけることが楽しいのではなく、向かってくる者と戦うことこそが楽しいのだと。 無意識ながらその顔はどこか嬉しそうに笑っていた。 「おもしれーお前からあの世に送ってやるよ!」...
7話 決意「ミア!!」 聞こえるはずもない声に驚いた。 閉じた目を開いた先にアサヒがいた。 「アサヒ!?なんで戻ってきたの」 逃げたアサヒが戻ってきた事に動揺を隠せなかった。 振りかざした剣を止め振り向くギールに、落ちている剣を取り、一心不乱に向かっていくアサヒ。...
6話 危機倒れていくファーガスの後ろからゆっくりとその男も姿を見せる。 その男を睨みつけミアは感情を露わにする。 「何者ですか!」 ミアの感情とは反対に冷静な男。 「俺か?俺の名はギール。」 聞いたこともない名前だった。 「ギール…」...
5話 戦慄窓から差し込む光で目が覚めた。 開いた眼に見えるのは見慣れた天井ではなかった。 「戻って…ないか」 この夢はまだ終わらないのか。 それとももう戻れないのか。 そんなことを考えていると、見えていた天井が見えなくなった。 「おはよう」...
4話 星空歩き始めて程なくして先頭を歩くファーガスの足が止まった。 「さあ着いたよ!」 その言葉に俯いていたアサヒも顔を上げた。 目の前にあるのはコテージのような建物だった。 なかなか大きい建物だ。この2人の家なのか。それとも違う人の家なのか。...
3話 未知異様な空気の中、木の影からそれは現れた。 明らかに人ではないその何かは敵意を剥き出しにしてこちらを見ている。 大きくはない。子どもほどの大きさながら鋭い目に、ツノのような物が生えている。 「なんだよこいつ…」 何かはわからない。 驚きと不安に足が動かなかった。...
2話 邂逅ここは天国か、はたまた地獄か。 視界が少し晴れていく。 「ん?ここは…」 さっきまで居た場所ではないことだけはわかった。 でも意識はまだはっきりしていない。 前方から声が聞こえた。 「気づいた?」 女の声だ。 どこかで聞いた声だ。 女の声で自分の現状に気づいた。...
1話 はじまりの日遠い日の記憶。今でも夢に見る光景。 ここはどこだろう。鳥の声も風の音も聞こえない森の中、目の前にいる人が言った。 「アサヒ、守りたい気持ちが人を強くするんだよ。」 顔は覚えてない。でもそこにいるのは父だ。 まだ小さかった自分にはとても大きくて、優しく微笑んでいる父の記憶しか...